地域の宝を次の世代へ  貝塚市が誇る最古の木造建築で、国宝に指定されている孝恩寺観音堂、通称「釘無堂」。今年、創建1300年という大きな節目を迎えます。  戦乱や災害を乗り越え、地域の人々に守り継がれてきた釘無堂。「1300年大祭」を前に、田中浩典住職、牛尾治朗市長が、これまでの歴史とこれからの地域について語りました。進行役は泉ゆうこ様にお願いしました。 問合せ先:魅力づくり推進課電話072-433-7059 「誰かがやる」を「皆でやる」に 泉:釘無堂創建1300年を迎えられた今のお気持ちをお聞かせください。 田中住職:実は最初は、ここまで大々的にやるつもりはありませんでした(笑)。観音堂は、檀家の皆様をはじめ多くの方々にご協力いただいて、令和4年に大修理を終えさせていただいたばかりでしたから。  でも話し合いを重ねる中で、「お寺が1300年続いてきたということは、木積という地域も1300年続いてきたということだ」と気づいたんです。  1300年大祭を、地域の人たちの意識を元気にするきっかけにしたい。「誰かがやってくれる」ではなく、「みんなで力を合わせれば、もっと大きなことができる」と思ってもらえたら。そう考えるようになりました。 市長:その考え方は、私が目指しているまちづくりにも通じます。行政だけで8万人の市民の暮らしを盛り上げることはできません。だからこそ、「自分たちのまちを自分たちで良くしていこう」と立ち上がる市民の皆様を、行政が支えていくことが大切だと思っています。  この大祭が、地域の皆様の新たな一歩につながればと思います。 1300年続く歴史と思い 泉:釘無堂が1300年もの長い歴史を歩んでこられた理由は何でしょうか。 田中住職:一番は、地域の皆様が守ってくださったことです。そして、歴代の住職より受け継がれてきた「言わない申し送り」も大きいと思います。  それは、釘無堂は単なる観光資源ではなく、人々の信仰や、これまで関わってきた人たちの思いが積み重なった心の拠り所だということです。これからも、誰もが集える場所として守り続けていきたいと思っています。 市長:市としても、地域の大切な宝として、できる限り協力していきたいと思います。市民の皆様にも、1300年大祭をきっかけに、この地域の歴史や魅力を知り、次の世代へつなぐ一員になっていただければと思います。 一生に一度だけの「荘厳」と「楽」 泉:11月22日・23日に開催される1300年大祭について教えてください。 田中住職:1日目のテーマは「荘厳」です。孝恩寺は行基菩薩ゆかりの寺院ですが、これまで行基菩薩の木像はなく、今回新たに行基菩薩像をお迎えします。夕方には寺や周辺をライトアップし、全国から集まった約30人の僧侶による迫力ある法要を行います。  2日目のテーマは「楽」。木積の特産物を集めた物産展やキッチンカー、ステージイベントなど、地域の皆様に楽しんでいただける催しを予定しています。くら寿司さんの特別協力のもと、大阪・関西万博で提供されたような特別料理を再現いただきます。また、地域の子どもたちが手作りした約300本の紙灯籠が参道を彩ります。  さらに、両日とも釘無堂を特別に開放し、国指定重要文化財の仏像群をご覧いただけます。普段は見ることのできない貴重な機会ですので、ぜひ足を運んでいただきたいです。 市長:30人の僧侶たちによる幻想的な読経やライトアップ…これは間違いなく、一生に一度しか体験できない、言葉を失うほど素晴らしい空間になりますね。私も今からワクワクしています! 地域の「宝」を、次の世代へ 泉:最後に、市民の皆様へメッセージをお願いします。 田中住職:お寺はいつの時代も、誰に対しても開かれたウェルカムな場所です。1300年大祭をきっかけに、ぜひ足を運んでいただき、そこに流れる人々のつながりや守り継がれてきた歴史を感じてください。  そして、祭りを思い切り楽しんで、これからの生き方や「大切なもの」を見つめ直すきっかけにしていただければと思います。 市長:1300年という歴史に立ち会えるのは、今を生きる私たちにとって貴重な機会です。これまで孝恩寺を訪れたことがない方も、ぜひこの機会にお越しください。  皆様と一緒に、先人たちが命がけで守ってきた地域の宝を、1400年、1500年へと、未来へつないでいきたいと思います。 孝恩寺釘無堂1300年大祭の詳細は、広報かいづか11月号でお知らせします。