貝塚市住生活基本計画（概要版）　令和７年４月　

住宅の安全・安心に対する市民意識の高まりや住まい方に対するニーズの多様化など住宅・住環境を取り巻く社会情勢の変化等に対応し、本市において「住みたい、住み続けたいまち」を実現するため、住宅・住環境の整備にかかる本計画を改定します。


■本計画の位置づけ
貝塚市住生活基本計画は、住生活基本法に基づき、国や大阪府の策定した住生活基本計画、本市の上位計画である第５次貝塚市総合計画に則し、関連法および貝塚市の各種計画との整合を図ります。また、「貝塚市空家等対策計画」及び「貝塚市マンション管理適正化推進計画」を一体的に構成し、市の住宅関連施策を効果的に推進していくことを目的に改定するものです。


■目標年度
令和７（2025）年度を基準年度とし、概ね10年後を展望し、令和16（2034）年度を目標年度に設定します。


■貝塚市の現状と課題

現状と市民意向
・人口減少・少子高齢社会の進行
・若年、子育て世帯の転出超過の傾向
・若年単身、若年夫婦では「現在の住まいに住みつづけたい」と希望する方はともに20％以下
・一定のバリアフリー化がされている住宅の割合は半数以下
・水間鉄道が市内中心部と山間部を連絡
・寺内町や水間寺周辺の歴史的街並みが残る
・空き家数は平成15年から20年間で約1.4倍
・売却・賃貸が比較的容易な空き家が空き家全体の大半を占める
・空き家の「利活用を希望しない」所有者の割合が44.9%
・危険度が高い空き家は平成29年度から令和５年度で約４倍
・約15年後には市内マンションの９割以上が築後40年を超える

課題
・若年・子育て世帯の定住促進による人口減少の抑制
・子どもや子育て世帯にやさしい住環境の充実
・高齢者・障害者等が地域で安全に暮らせる住宅・住環境の確保
・住宅確保要配慮者の居住の安定確保
・既存住宅の耐震・防災性能や断熱・環境性能の向上
・交通の利便性確保による定住環境の形成
・自然、歴史、文化資源を活かした居住魅力の向上
・空き家の適正管理や利活用・流通の促進
・空き家所有者に対する支援制度等の周知
・管理不全の空き家の適切な維持管理の促進
・特定空家等に対する法に基づいた対応
・急増する高経年マンションの適切な維持管理


■基本理念と基本方針
地域の特性を活かし、誰もが安心して住み続けられるまちかいづか

基本方針１　若年･子育て世帯の定住促進に向けた住宅・住環境の形成
・若年・子育て世帯の定住を促進するため、ライフステージに応じて住み替えられる住環境の形成を図る
基本方針２　高齢者・障害者等が安心して快適に暮らせる住宅・住環境の形成
・高齢者・障害者等、誰もが住み慣れた地域で、バリアフリー改修の支援等により、安心して快適に暮らせる住宅・住環境の形成を図る
基本方針３　重層的かつ柔軟な住宅セーフティネットの構築
・住宅確保要配慮者の居住安定を確保するため、重層的かつ柔軟な住宅セーフティネットの構築を図る
基本方針４　既存住宅ストックの有効活用
・既存住宅を有効活用し、良好な資産として次世代に継承していくため、断熱改修による環境性能や耐震改修による耐震性能の向上を図る
基本方針５　本市の特性を活かした居住魅力の向上
・自然環境や歴史・文化資源、職住近接の環境等を活かし、住みたい・住み続けたい住環境の形成を図る
基本方針６　市民の安全確保と生活環境の保全を図るための空家等対策の推進
・空き家等所有者や地域住民及び行政が一体となって、空き家発生の予防、適切な維持管理や空き家の利活用といった空家等対策を図る
基本方針７　マンション管理の適正化の促進
・市内のマンションの管理不全を未然に防ぎ、管理組合の自律的な運営による適正な管理の促進を図る


■重点施策１　地域別施策の展開
（１）南海貝塚駅周辺の市街地「まちなか」
・商業・業務機能等の都市機能と安全・安心に住み続けられる居住機能の集積
・駅東側の特定空家等の除却など管理不全な空き家の解消
・駅西側の空き家・空き店舗の利活用を図る企業立地マッチング促進事業の活用

（２）紀州街道沿道「既存市街地」
・定住のための住宅供給、趣のある町屋の利活用への支援策などの検討
・「貝塚市景観計画」に基づく歴史街道にふさわしい景観の形成

（３）二色地区及び東山地区
「計画的な開発地」
・本市を代表する良好な住宅地としての魅力の情報発信

（４）水間鉄道沿線市街地「農住混在住宅地」
・水間鉄道各駅周辺では、地域鉄道の二次交通がより効果的な交通手段となるよう、乗継ぎ環境の向上を図る

（５）駅周辺の整備を推進する地区「生活拠点」
・生活利便機能、居住機能等の向上及び交通結節機能の充実
・みどりの充実によるウォーカブルなまちづくりの推進
・JR和泉橋本駅の東側地区で住民主導のまちづくりの推進

（６）願泉寺周辺及び水間寺周辺「歴史的街並み地区」
・官民連携による交流拠点等の整備や住宅供給等の促進
・景観保全団体などとの官民連携による歴史的景観の保全と活用の推進

（７）泉州山手線沿道及びせんごくの杜跡地
「将来活用が見込まれる地区」
・貝塚中央線、泉州山手線などの幹線道路沿いにおける、関西国際空港に近い立地を活かした産業立地や新たな雇用の創出
・「せんごくの杜地区地区計画」に基づいた土地利用を図る

（８）山あいの集落「景観と古民家の融合」
・農家レストラン等地域の特性を生かした空き家の利活用の推進
・自然豊かな景観を活かした観光・レクリエーション施設の推進による地域の活性化


■重点施策２　空家等対策の推進（貝塚市空家等対策計画）
空き家発生の予防、適切な維持管理、特定空家等への対応、空き家の利活用の促進
・空き家相談会の開催により所有者等の不安解消、空家等対策の促進
・貝塚市管理不全空家等及び特定空家等対応要領に基づく管理不全空家等、特定空家等への適切な対応
・既存の「貝塚市空き家バンク制度」を活用しつつ、新たな空き家の流通支援方策の検討
・官民連携による、（仮称）貝塚市空き家活用プラットフォームの組成の検討


■重点施策３　マンションの管理の適正化の推進（貝塚市マンション管理適正化推進計画）
マンションの管理不全を未然に防ぎ、管理組合の自律的な運営による適正な管理を促進
・マンション管理計画認定制度の周知、マンションの管理の適正化を図るための助言・指導等


■重点施策の成果指標
・重点施策については、本計画の達成度を測るため、成果指標を設定し、各項目の目標達成を目指す
成果指標　現状値	目標値（令和16年）
最低居住面積水準の主世帯数　3.5％　早期に解消
高齢者の住む住宅の一定のバリフリー化率	66.4％ 	75％
持家のうち中古住宅として取得した住宅割合　8.9％　12.2％
住宅の耐震化率	81.4％	95％
空き家の数　1,051戸　現状維持
無料相談会などの参加組数　延べ148組　延べ404組
マンション管理計画認定制度による管理計画の認定件数　１件　８件


■実施体制
・政策・経済施策・福祉施策・都市施策等の幅広い分野を横断的、継続的に施策を推進
・具体的施策の取組状況については、進捗状況を確認、検証及び評価、その結果を計画の見直しに反映
・PDCAサイクルを機能させ計画の進捗を管理


貝塚市　都市整備部　まちづくり課　住宅政策担当
電話　072-433-7214
ファックス　072-433-7079
Eメール　machi@city.kaizuka.lg.jp