　　　貝塚市がん対策推進条例
　（目的）
第１条　この条例は、がんが市民の疾病による死亡の最大の原因となっている現状に鑑み、がん対策基本法（平成18年法律第98号。以下「法」という。）の趣旨を踏まえ、貝塚市（以下「市」という。）のがん対策に関する基本となる事項を定めることにより、がんの予防及び早期発見に資するとともに、総合的ながん対策を市民とともに推進することを目的とする。
　（市の責務）
第２条　市は、国、大阪府、保健医療関係者（がんの予防及び早期発見の推進並びにがん医療（法第２条第２号に規定するがん医療をいう。以下同じ。）に携わる者をいう。以下同じ。）、市民、事業主その他関係団体等と連携を図り、がん対策に関し、市の特性に応じた施策を実施する責務を有する。
　（保健医療関係者の役割）
第３条　保健医療関係者は、がんの予防及び早期発見の推進並びにがん医療の水準の向上に努めるほか、市が実施するがん対策に関する施策に協力し、市と連携してがん対策を推進するよう努めるものとする。
　（市民の役割）
第４条　市民は、喫煙、食生活、飲酒、運動その他の生活習慣の改善等によるがんの予防のための正しい知識を持ち、定期的に胃がん、肺がん、大腸がん、子宮がん、乳がんその他のがんの検診（以下「がん検診」という。）を受診するなど、がんの予防、早期発見及び早期治療に努めるほか、がん患者に関する理解を深めるよう努めるものとする。
　（事業主の役割）
第５条　事業主は、がん患者の雇用の継続等に配慮するよう努めるとともに、従業員及びその家族（以下「従業員等」という。）に対するがんに関する正しい知識の普及に積極的に取り組み、従業員等が定期的にがん検診を受けることができる環境の整備に努めるものとする。
　（がん情報の収集と提供）
第６条　市は、大阪府及び保健医療関係者と連携を図り、がんの罹(り)患、死亡等がん対策に資する情報を収集するとともに、市民に対して、がんの予防及び早期発見、がん医療並びに患者支援に関する適切な情報を提供するものする。
　（がん予防の推進）
第７条　市は、保健医療関係者と協力し、がんの予防の推進のために必要な次に掲げる施策を推進するものとする。
(１)　喫煙、食生活、飲酒、運動その他の生活習慣及び生活環境が健康に及ぼす影響等がんの予防のための正しい知識の普及啓発
(２)　受動喫煙（室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。）の防止及び未成年者の喫煙防止についての普及啓発
　(３)　教育機関におけるがんの予防につながる学習活動の推進のために必要な施策
　(４)　前３号に掲げるもののほか、がんの予防のために必要な施策
　（がんの早期発見の推進）
第８条　市は、保健医療関係者と協力し、がんの早期発見に資するため、次に掲げる施策を推進するものとする。
　(１)　最新の知見に基づくがんの早期発見に有効と認められる検診の実施体制の充実
　(２)　がん検診の受診率を向上させるための施策
　(３)　がん検診の精度向上につながる施策
　(４)　前３号に掲げるもののほか、がんの早期発見のために必要な施策
　（がん医療の推進）
第９条　市は、大阪府及び保健医療関係者と連携し、がん患者が等しくそのがんの状態に応じた適切な医療を受けることができるよう、その環境整備に努めるとともに、市民に質の高いがん医療を提供するため、次に掲げる施策を推進するものとする。
　(１)　厚生労働大臣が指定するがん診療連携拠点病院との連携
　(２)　大阪府が指定する大阪府がん診療拠点病院との連携
　(３)　その他の医療機関等との連携
　(４)　前３号に掲げるもののほか、がん医療の推進のために必要な施策
　（がん登録等の推進への協力）
第10条　市は、がん登録等の推進に関する法律（平成25年法律第111号）の趣旨にのっとり、国、大阪府等が行うがん登録等の推進のために必要な施策に協力するものとする。
　（市民等との協働によるがん対策の推進）
第11条　市は、市民及び保健医療関係者と協働し、市民の理解と関心を深めるための総合的ながん対策を推進するものとする。
　（財政上の措置）
第12条　市は、がん対策に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
　（委任）
第13条　この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
　　　附　則
　この条例は、平成30年４月１日から施行する。