第7章 介護保険事業費と保険料設定について 1 介護保険の総事業費等の見込み  平成30年度から令和2年度の給付実績を基本として、1回または1日あたりの給付額を算出 し、それらをもとにサービス整備を見込んで、令和3年度から令和5年度、令和7(2025)年 度、令和22(2040)年度までの給付費を推計しています。   (1)介護給付費の推計  単位:千円   令和3年度 令和4年度 令和5年度 令和7年度 令和22年度 居宅 サー ビス 訪問介護 1,406,165 1,459,165 1,470,824 1,498,299 1,764,886 訪問入浴介護 41,536 42,727 42,727 42,727 52,244 訪問看護 238,315 244,794 246,963 252,146 294,410 訪問リハビリテーション 28,117 29,526 29,933 30,376 35,096 居宅療養管理指導 92,689 97,171 97,783 99,936 117,039 通所介護 1,044,714 1,086,952 1,104,369 1,128,518 1,294,790 通所リハビリテーション 302,094 314,882 320,387 326,795 374,380 短期入所生活介護 136,485 141,910 142,421 147,104 174,889 短期入所療養介護 19,466 20,323 20,323 20,323 24,473 特定施設入居者生活介護 97,869 97,923 100,531 105,768 123,858 福祉用具貸与 282,570 292,854 296,220 302,188 351,443 特定福祉用具販売 10,539 10,964 11,371 11,724 12,858 住宅改修 25,879 26,835 29,477 30,496 33,364 居宅介護支援 455,474 473,878 481,778 492,537 561,091 地域 密着 型サ ービ ス 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 20,379 49,729 49,729 49,729 49,729 夜間対応型訪問介護 801 802 802 802 802 認知症対応型通所介護 41,434 44,241 44,241 44,241 52,172 小規模多機能型居宅介護 119,087 125,503 123,622 128,513 144,538 認知症対応型共同生活介護 292,272 292,434 292,434 384,556 441,845 地域密着型特定施設入居者生活介護 0 0 0 0 0 地域密着型介護老人福祉施設 入所者生活介護 171,258 171,353 171,353 196,007 220,418 看護小規模多機能型居宅介護 0 0 0 0 0 地域密着型通所介護 383,922 398,848 404,939 414,155 472,363 介護 保険 施設 サー ビス サー ビス 介護老人福祉施設 687,787 688,169 688,169 742,750 848,528 介護老人保健施設 552,642 552,949 552,949 619,108 708,436 介護療養型医療施設 96,204 96,257 0 - - 介護医療院 138,069 138,145 398,971 398,971 398,971 介護サービス給付費(小計) 6,685,767 6,898,334 7,122,316 7,467,769 8,552,623 ※端数処理により合計が一致しない場合があります。? (2)介護予防給付費の推計  単位:千円   令和3年度 令和4年度 令和5年度 令和7年度 令和22年度 介 護 予 防 サ ー ビ ス 介護予防訪問入浴介護 0 0 0 0 0 介護予防訪問看護 23,276 23,632 24,240 24,583 24,583 介護予防訪問リハビリテーション 1,886 1,887 1,887 2,063 2,063 介護予防居宅療養管理指導 1,652 1,823 1,823 1,823 1,823 介護予防通所リハビリテーション 31,652 32,165 32,660 33,416 34,668 介護予防短期入所生活介護 238 238 238 238 238 介護予防短期入所療養介護 0 0 0 0 0 介護予防特定施設入居者生活介護 11,163 12,331 12,331 13,056 13,056 介護予防福祉用具貸与 34,065 34,812 35,412 36,238 36,252 特定介護予防福祉用具販売 3,065 3,370 3,676 3,679 4,596 介護予防住宅改修 11,301 11,301 11,301 12,064 14,477 介護予防支援 30,119 30,811 31,430 32,048 32,104 地域密着 型 サービス 介護予防認知症対応型通所介護 505 1,010 1,010 1,010 1,010 介護予防小規模多機能型居宅介護 5,521 5,525 5,525 5,525 6,508 介護予防認知症対応型共同生活介護 2,876 2,877 2,877 2,877 2,877 介護予防サービス給付費(小計) 157,319 161,782 164,410 168,620 174,255 ※端数処理により合計が一致しない場合があります。   (3)総給付費の推計  単位:千円   令和3年度 令和4年度 令和5年度 令和7年度 令和22年度 介護サービス給付費 6,685,767 6,898,334 7,122,316 7,467,769 8,552,623 介護予防サービス給付費 157,319 161,782 164,410 168,620 174,255 総給付費 6,843,086 7,060,116 7,286,726 7,636,389 8,726,878  ※端数処理により合計が一致しない場合があります。   ? (4)標準給付費見込額  令和3年度〜令和5年度標準給付費見込額  = 総給付費 + 特定入所者介護サービス費等給付額  + 高額介護サービス費等給付額 + 高額医療合算介護サービス費等給付額   + 算定対象審査支払手数料  単位:千円   令和3年度 令和4年度 令和5年度 令和7年度 令和22年度 総給付費 6,843,086 7,060,116 7,286,726 7,636,389 8,726,878 特定入所者介護サービス費等給付額 161,989 149,078 152,240 157,409 174,261 高額介護サービス費等給付額 172,371 176,301 180,040 186,153 206,085 高額医療合算介護サービス費等給付額 26,280 27,116 27,691 28,631 31,697 算定対象審査支払手数料 6,627 6,815 6,956 7,191 7,943   審査支払手数料支払件数(件) 141,000 145,000 148,000 153,000 169,000 標準給付費見込額 7,210,353 7,419,427 7,653,652 8,015,773 9,146,864    ※端数処理により合計が一致しない場合があります。    ※特定入所者介護サービス費等給付額 低所得の方の介護保険施設*等の利用が困難とならないように、食費と居住費の一定額以上が保険給付される制度 です。平成30年度から令和2年度の実績等を勘案して、給付額を見込みました。    ※高額介護サービス費等給付額  介護サービスを利用して、支払った自己負担額が一定額を超えた場合に支給されます。 平成30年度から令和2年度の実績及び高額医療合算介護サービス費等を勘案して、給付額を見込みました。    ※算定対象審査支払手数料 介護報酬の審査及び支払いに関する事務を委託している国保連合会*に対して、支払う手数料です。平成30年度か ら令和2年度の実績等を勘案して、費用を見込みました。   ? (5)地域支援事業の対象者と費用額の考え方  地域支援事業の財源(地域支援事業交付金)は、保険給付費の一定率を上限に介護保険料と 公費で構成されます。以下は、介護保険料(第1号被保険者*及び第2号被保険者*で表記)と 公費(都道府県、国、市町村)における財源構成割合と地域支援事業における上限額の割合で す。  第1号被保険者の負担する割合は23%となっています。     地域支援事業     ◆介護予防・日常生活支援総合事業    ◆包括的支援事業+任意事業     (6)地域支援事業費  単位:千円   令和3年度 令和4年度 令和5年度 令和7年度 令和22年度 地域支援事業費 341,034 348,968 353,954 363,966 440,598   介護予防・日常生活支援総合 事業 187,153 191,867 194,407 199,981 234,477   包括的支援事業・任意事業 153,881 157,102 159,547 163,985 206,122 ※端数処理により合計が一致しない場合があります。 参考:介護予防・日常生活支援総合事業 事業 単位 見込値 見込値(参考) 令和3年度 令和4年度 令和5年度 令和7年度 令和22年度 訪問介護相当サービス 人/月 22 23 23 24 27 訪問型サービスA 人/月 358 367 373 387 511 通所介護相当サービス 人/月 10 10 10 11 14 通所型サービスA 人/月 319 326 332 343 335   2 保険料設定の基本的な考え方 (1)第1号被保険者負担割合について  介護保険事業に係る給付費は、サービス利用時の利用者負担を除いて、保険料と公費が50% ずつを占めています。第8期計画では、第7期計画に引き続き、標準給付費見込額と地域支援 事業費の合計額の23%を第1号被保険者*、27%を第2号被保険者*が負担することになってい ます。  また、公費における負担割合は、基本的には国が25%(うち、調整交付金として5%)、府が 12.5%、市が12.5%となっていますが、府が指定権限を有する施設分の給付については、国が 20%(うち調整交付金として5%)、府が17.5%、市が12.5%となります。     ◆第8期計画における介護保険の財源    ※居宅サービスのみこの割合が適用されます。  ※調整交付金 国が、市町村間の介護保険財政格差を是正するために、以下を考慮して交付するもので、調整交付金の交付割合の 変動にともない、第1号被保険者*の保険料の負担割合(23%)も変動します。  @ 後期高齢者*の割合(後期高齢者加入割合補正係数として保険料算出時に加味する)  A 高齢者の所得分布の状況(所得段階別加入割合補正係数として保険料算出時に加味する)  B 災害時の保険料減免等の特殊な場合 ? (2)介護保険制度改正における費用負担等に関する事項について  第8期計画期間では、低所得者対策、制度の持続性及び公平性の観点等から、以下の制度改 正が行われます。   @ 財政調整交付金の見直し  調整交付金は、地域における第1号被保険者*に占める後期高齢者*の加入割合や、所得段階別 加入割合の違いにより生じる財政格差を平準化することを目的に交付されています。後期高齢 者割合の加入割合に関する現行の補正では、@65〜74歳、A75〜84歳、B85歳以上の3つの年 齢区分における要介護認定率を用いて重みづけを行ってきました。調整交付金は各保険者の給 付費に交付割合を乗じて調整を行っていることから、財政調整の精緻化を図るため、第8期計 画より、現行の要介護認定率による重みづけから、介護給付費(一人当たり給付費)による重 みづけへと見直されます。なお、激変緩和措置として、第8期計画期間においては、各年度、 要介護認定率と介護給付費を2分の1ずつ組み合わせることになります。   A 補足給付に関する給付の在り方  施設サービス利用者に対する補足給付について、第3段階を本人の年金収入等によって、@ 80万円超120万円以下、A120万円超の2つの段階に区分し、そのうちAについては負担限度額 の見直しが行われることとなりました。  また、ショートステイサービス利用者に対する補足給付については、食費が給付の対象外と なっているデイサービスとの均衡等の観点から、第2段階、第3段階@、第3段階Aともに食 費の負担限度額の見直しが行われます。  さらに、給付を受けるための資産要件として、収入が低く補足給付の対象となる場合でも、 一定金額以上の預金残高を有している場合は、補足給付は受けることができません。この基準 について、1,000万円以下の預金残高がある単身者において、第2段階では650万円以下、第3 段階@では550万円以下、第3段階Aでは500万円以下に見直されます。    ■補足給付の対象の見直し 変更前   変更後 第1段階 ・生活保護被保護者 ・世帯全員が市町村民税非課税の老齢 福祉年金受給者   第1段階 変更なし   第2段階 ・世帯全員が市町村民税非課税かつ本 人年金収入等が80万円以下   第2段階 変更なし 第3段階 ・世帯全員が市町村民税非課税かつ本 人年金収入等が80万円超   第3段階@ ・世帯全員が市町村民税非課税かつ 本人年金収入等が80万円超120 万円以下 第3段階A ・世帯全員が市町村民税非課税かつ 本人年金収入等が120万円超 B 高額介護サービス費  高額介護サービス費について、自己負担上限額を医療保険の高額療養費制度における負担上 限額に合わせ、年収約770万円以上の者と年収約1,160万円以上の者の世帯の上限額を、現行の 44,400円からそれぞれ93,000円、140,100円に引き上げられます。また、平成29年の制度改正で 設けられた年間上限については、利用の実績を踏まえ、当初の予定どおり令和2年度までの措 置として終了します。   C 基準所得金額の見直し  第8期計画期間における第1号保険料の基準所得額について、第1号被保険者*の所得分布調 査の結果を踏まえ、第7段階、第8段階、第9段階の対象となる基準所得金額が以下のとおり 見直されます。    ■基準所得額 変更前   変更後 第7段階 市町村民税課税かつ合計所得金額 が120万円以上200万円未満 第7段階 市町村民税課税かつ合計所得金額 が120万円以上210万円未満 第8段階 市町村民税課税かつ合計所得金額 が200万円以上300万円未満 第8段階 市町村民税課税かつ合計所得金額 が210万円以上320万円未満 第9段階 市町村民税課税かつ合計所得金額 が300万円以上 第9段階 市町村民税課税かつ合計所得金額 が320万円以上   D 介護報酬の改定  令和3年度介護報酬改定について、介護職員の人材確保・処遇改善にも配慮しつつ、物価動 向による物件費への影響等、介護事業者の経営を巡る状況等を踏まえ、改定率は全体で+0.70% (国費196億円)となりました。なお、新型コロナウイルス感染症に対応するため、令和3年9 月末までの間、報酬に対する特例的な評価を行うこととし、+0.70%のうち+0.05%相当分が 確保されます。同年10月以降については、この措置を延長しないことを基本の想定としつつ、 感染状況や地域における介護の実態等を踏まえ、必要に応じて柔軟に対応することとなってい ます。 ? (3)第8期計画における保険料算定 @ 保険料算定の手順  第1号被保険者*の負担割合(23%)、予定保険料収納率(98%)、所得段階別加入割合補正後 被保険者数、調整交付金、準備基金取崩額等の影響を算定した結果、第8期計画における第1 号被保険者の保険料基準月額は6,169円になります。  保険料は以下の手順で設定しています。    標準給付費・地域支援事業費見込み額(令和3年度〜令和5年度): 23,327,388千円-@        第1号被保険者負担分相当額(@×第1号被保険者負担割合23%)(令和3年度〜令和5年度)                                   : 5,365,299千円    第1号被保険者負担分相当額:                     5,365,299千円  +)調整交付金相当額:                        1,142,843千 円  −)調整交付金見込額:                        1,318,679千 円  −)準備基金取崩額:                          397,000千 円  −)保険者機能強化推進交付金等の交付見込額:               38,550千 円   =)保険料収納必要額: 4,753,913千円-A      保険料収納必要額を予定保険料収納率98.00%で補正した値(A÷98.00%):4,850,932千円      ÷)      所得段階別加入割合補正後被保険者数(令和3年度〜令和5年度):       65,524 人    =) 基準保険料額(年額): 74,033円 基準保険料額(月額): 6,169円 ※端数処理を行っているため、算出結果が一致しない場合があります。 ※上記標準年額は算定額です。確定額は次頁の表中に記載しています。 ? A 第1号被保険者の所得段階別保険料年額  所得段階別の第1号被保険者*の年間の介護保険料は以下のとおりです。国の方針や各所得段 階人数等を勘案した結果、第8期計画の基準額及び、各段階の保険料(年額)は以下のとおり となります(第7期計画と同額です)。   段階  要件 負担割合 年額保険料 第1段階 生活保護を受給している方 本人及び世帯全員が市民税非課税で、老齢福祉年金を受 給している方 本人及び世帯全員が市民税非課税で、本人の前年の課税 年金収入額+合計所得金額が80万円以下の方 基準額 ×0.3 (0.5) 22,200円 (37,000円) 第2段階 本人及び世帯全員が市民税非課税で、本人の前年の課税 年金収入額+合計所得金額が80万円を超え120万円以下 の方 基準額 ×0.5 (0.75) 37,000円 (55,500円) 第3段階 本人及び世帯全員が市民税非課税で、第1段階、第2段 階に該当しない方 基準額 ×0.7 (0.75) 51,800円 (55,500円) 第4段階 本人が市民税非課税で、同じ世帯に市民税課税者がいる 方のうち、本人の前年の課税年金収入額+合計所得金額 が80万円以下の方 基準額 ×0.90 66,600円 第5段階 本人が市民税非課税で、同じ世帯に市民税課税者がいる 方のうち、本人の前年の課税年金収入額+合計所得金額 が80万円を超える方 基準額 ×1.00 74,000円 第6段階 本人が市民税課税で、本人の前年の合計所得金額が120 万円未満の方 基準額 ×1.20 88,800円 第7段階 本人が市民税課税で、本人の前年の合計所得金額が120 万円以上210万円未満の方 基準額 ×1.30 96,200円 第8段階 本人が市民税課税で、本人の前年の合計所得金額が210 万円以上320万円未満の方 基準額 ×1.50 111,000円 第9段階 本人が市民税課税で、本人の前年の合計所得金額が320 万円以上500万円未満の方 基準額 ×1.70 125,900円 第10段階 本人が市民税課税で、本人の前年の合計所得金額が500 万円以上800万円未満の方 基準額 ×1.80 133,300円 第11段階 本人が市民税課税で、本人の前年の合計所得金額が800 万円以上の方 基準額 ×2.00 148,100円   ※第1段階から第3段階は低所得者向け保険料軽減措置適用後の額です。なお、( )内が保険料軽減措置適用前の    率及び額です。   B 令和7(2025)年度の保険料基準額  現在の認定率やサービス見込量を基に計算した令和7(2025)年度の保険料基準額は年間 88,209円程度になります。   1