第3章 計画の基本理念及び基本目標 1 計画の基本的方向 (1)基本理念  本市においては、地域共生社会の実現に向けた中核的な基盤になり得るものとして、高齢者 の地域での生活を支える地域包括ケアシステム*の構築に取り組んできました。これまでに形成 してきた地域包括ケアシステムの深化・さらなる推進を通して、高齢者をはじめ市民一人ひと りがいきいきと安心して暮らせる地域共生社会の実現をめざします。 (2)基本目標   基本理念のもと、以下の基本目標を軸に施策を推進します。  高齢者が抱える課題は、ますます複雑化・複合化*していくと見込まれるなか、制度や世代の 枠を問わない包括的な相談支援体制をさらに強化し、高齢者の尊厳が保たれ、安心して生活す ることができるまちづくりを進めます。また、「支える側」「支えられる側」という関係を超え た住民同士が支え合う取組みも引き続き進めます。  本市の要介護認定*率は、全国より高い水準で推移し令和3(2021)年以降は大阪府の平均も 上回っています(P25参照)。介護が必要になる前の元気な状況を維持し、いきいきと過ごせる よう、市民自らが主体的に健康づくりに取り組み、また、生活習慣病予防や介護予防について も、自らのこととして関心を持つことが重要です。こうした、市民の主体的な健康づくりや介 護予防の取組みの促進と支援を行い、高齢者の健康寿命*の延伸を進めます。  医療と介護の両方のニーズを併せ持つ高齢者の増加が見込まれるなか、高齢者が住み慣れた 地域での暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、また、認知症*になっても地域社会 の一員として、生きがいを持ち、地域の人々とつながり、地域の役割を担い、自分らしく暮ら せるまちづくりを進めます。 (3)計画の施策体系表 基本目標 施策及び事業 住民同士で 支え合い安 心して暮ら せるまちづ くり 地域支援体制の充実 情報の共有化 高齢者セーフティネットの構築 福祉教育と福祉に対する意識の醸成の推進 地域ケア会議*・拡大地域ケア会議*の推進 重層的支援体制の整備 小地域ネットワーク*活動の展開と活動内容の拡大 高齢者が生活しやすい まちづくりの推進 高齢者に配慮したまちづくり 地域の需要に見合った公共交通網の整備 高齢者の住まいの確保 高齢者の安全・安心の 確保 防火・防災・感染症対策の推進 防犯対策 消費者啓発 高齢者の尊厳の確保 日常生活自立支援事業*の推進 成年後見制度*の利用促進 高齢者の孤立死防止 生活困窮状態にある高齢者の支援 高齢者虐待の防止     ? 基本目標 施策及び事業 健康寿命 に挑戦す るまちづ くり 介護予防の推進 介護予防の普及・啓発 地域における主体的な介護予防活動の支援 高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施 高齢者の生きがいづくり の推進 スポーツ・レクリエーション活動の促進 多様な学習機会と場の提供 高齢者の社会参加の促進 シルバー人材センター*との連携 就労への支援 ボランティア*活動の促進 高齢になっ てもひとと かかわり、 地域とかか わるまちづ くり 介護サービスの 基盤整備、質の向上 介護サービスの充実     地域密着型サービス*の充実   情報提供体制の充実   相談支援体制の充実   苦情処理体制の充実   介護サービス相談員派遣事業   サービス事業者への支援・助言   介護支援専門員(ケアマネジャー)*への支援   介護施設等における虐待防止の取組み   介護人材の確保・定着支援   介護者家族への支援   ? 基本目標 施策及び事業 高齢にな ってもひ ととかか わり、地域 とかかわ るまちづ くり 保険者機能の強化 要介護認定*における体制の充実   介護サービス事業者に対する指導・監督等   介護給付適正化に向けた取組みの推進   社会福祉法人による利用者負担軽減制度の活用促進   有料老人ホームの入居者保護のための施策の強化   居宅サービス事業所等の指定に対する保険者の関与強化   医療と介護の連携 在宅医療・介護連携の推進   かかりつけ医等の啓発   医療機能の整備・充実   自立した在宅生活を 支えるサービスの充実 日常生活用具の給付   緊急通報装置の設置   紙おむつの支給   愛の一声運動 生活支援サービスの体制 整備 介護予防・生活支援サービスの充実 生活支援コーディネーター*、協議体の設置 認知症高齢者支援策の 推進 認知症*に対する正しい理解の普及と支援体制の構築 認知症の早期発見・早期対応 認知症の予防 若年性認知症*への対応 介護者家族への支援 地域包括支援センター* の役割強化 地域包括支援センターの体制強化 地域包括支援センターの認知度向上と情報の公表 市と地域包括支援センターの連携強化 地域包括支援センターの運営に対する点検と評価         1