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近木川河口の植物

更新日:2021年02月03日

近木川河口右岸から近木川干潟再生地(汽水ワンド)周辺にかけて確認された植物を紹介します。イセウキヤガラやイソヤマテンツキのように、一時期だけ確認されたものも含めています。

イセウキヤガラの群落。カヤツリグサ科。多年草。匍匐茎を伸ばし、河口付近に群落を形成します。茎は細く、直立します。花の時期は夏から秋にかけてで、茎の途中から数個の小穂が出ます。この画像は、近木川河口付近の左岸にできた群落全体を下流側から撮影したもので、左側に近木川、右奥にヨシの群落が写っています。

イセウキヤガラの群落 (1998年から10年間ほど確認されていました)

写真の奥はヨシ群落

イセウキヤガラの小穂。この画像は、茎の途中の一箇所から出た3個の褐色の小穂を撮影したものです。

イセウキヤガラの花序

イソヤマテンツキ。カヤツリグサ科。多年草。海岸の岩場や、河口の湿地に生えます。茎は細く直立し、高さは50センチメートルほどになります。葉は細長く、茎よりも短いです。花の時期は夏から秋にかけてで、茎の先に数個の小穂を付けます。この画像は、石積護岸の隙間から生えた1株を撮影したものです。以下、注釈です。近木川河口付近では、2012年から2年間だけ、生えていました。

イソヤマテンツキ (2012年から2年間だけ確認されていました)

ヨシの群落。イネ科。多年草。地上茎の高さは3メートルほどになることもあります。地下茎を伸ばし、水際に草丈の高い密な群落をつくります。塩分にも強く、汽水域にも生えます。夏から秋にかけて、茎の先から、うす紫色の穂が出ます。この画像は、干潟再生地の汽水域に出来た群落を撮影したものです。高さは2メートル以上あります。

ヨシの群落

ヨシの穂。時期が経つと、穂のさまざまな部分から生える白い長毛によって、穂全体が白色に見えます。この画像は、その熟した穂を撮影したものです。左側から数本、横向きに出ています。

ヨシの穂

ハマナデシコ。ナデシコ科。多年草。茎の高さは15から50センチメートルになります。海岸の砂地に生えます。春から秋にかけて、茎の先に、紅紫色で5枚の花びらを持った花を多数まとまって咲かせます。この画像は、10本以上の茎が出ている群落を撮影したもので、そのうちの3本で花が咲いています。

ハマナデシコ

シロザ。ヒユ科。一年草。茎は高さ1メートルほどになります。道端、荒地、海岸の砂地に生えます。花被片は黄緑色ですが、秋の花の時期を過ぎると、紅色で球状になり、その時の方が目立ちます。この画像は、汽水域の砂地に生えた群落を撮影したものです。

シロザ

ツルナ。ハマミズナ科(以前は、ツルナ科)。海岸の砂地に生える多年草です。根元に近い茎は地面を這い、茎の先は斜めに立ち上がります。春から秋にかけて小さな黄色の花が咲きます。葉は食用とされることもあります。この画像は、石垣の隙間に生えた群落を撮影したものです。

ツルナ

ハマヒルガオ。ヒルガオ科。海岸の砂地に生える多年草です。地下茎を長く伸ばし、茎は砂の上に伸び、ハート型の葉を付けます。春にピンク色のラッパ状の花が咲きますが、秋に咲くこともあります。この画像は、10個以上の花が咲いている群落を撮影したもので、他に葉と蕾が写っています。

ハマヒルガオ

ハマゴウ。シソ科。海岸に生える落葉低木。茎は砂の上や中を長く這い、根を下ろします。 枝は斜めか直立し、高さ60センチメートルほどになります。夏に紫色の花が咲きます。和名は、浜のお香の意味で、葉や実に独特の香りがあります。この画像には、7個ほどの花序と多数の葉が写っています。

ハマゴウ

ハマボウフウ。セリ科。海岸の砂地に生える多年草。根は地中に直下し、肉質で光沢のある葉が地面を這いながら広がり、春から夏にかけてその中央に白い集合花をいくつか付けます。葉は食用とされることがあります。この画像は、群落を撮影したもので、中央に集合花が幾つか写っています。

ハマボウフウ

ハマウド。セリ科。多年草。海岸に生え、高さ1.5メートルほどになります。葉は大型で厚く光沢があり、ふちには細かい鋸歯があります。春に、枝先から花柄を球状に広がるように出し、そのそれぞれの先に小さな白色の花の球状の集合したものを付けます。この画像は、多数の葉を出している株を上から撮影したものです。

ハマウド

外来種

ホコガタアカザ。ヒユ科。海岸の裸地や埋立地などに生える1年草です。茎はよく分岐し、高さ20から80センチメートルほどに生長します。秋、黄緑色の雄花と、うす紅色の雌花が入り混じった穂が出ます。ヨーロッパ原産の帰化植物です。この画像は、石垣から生えた群落を撮影したものです。

ホコガタアカザ

アメリカネナシカズラ。ヒルガオ科。一年草。他の植物にからみついて養分を吸い取る寄生植物です。黄色の蔓を伸ばし、葉は退化しています。 夏から秋にかけて小さな白い花が咲きます。北アメリカ原産の帰化植物です。この画像は、ハマヒルガオの群落に覆いかぶさっている状態を撮影したものです。

アメリカネナシカズラ (ハマヒルガオに寄生しています)

ランタナ。クマツヅラ科。常緑の小低木。ランタナは属名で、いくつかの種を含みます。いずれも南アメリカ原産です。春から秋にかけて、黄色、ピンク色、紫色など、さまざまな色の多数の小花から成る花序を出します。小花は時間が経つと色が変わり、七変化という和名が付けられています。この画像の中央に2個の花が写っていて、その周りに10枚以上の葉が写っています。

ランタナ

ナルトサワギク。キク科。1年草か多年草。マダガスカル原産の外来種で、冬季の含め1年中、黄色い花を咲かせているのが特徴です。キク科なので、花茎に先に付く1個の花に見えるのは、頭状花という小花の集合です。筒状花の先と舌状花とも黄色です。この画像は、海岸の砂地に生えた群落を撮影したもので、多数の頭状花が写っています。

ナルトサワギク

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