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植物調査

更新日:2020年06月08日

植物調査の様子。和泉葛城山の登山道Bコースにおいて、元館長の上久保文貴先生が植物を調べて、植物担当が種名を記録しているところを撮影した画像です。

植物調査の様子(左は上久保文貴先生です)

ミヤマガマズミ。咲いた花が付いた枝を持って、花と葉を撮影した画像です。

ミヤマガマズミ(和泉葛城山登山道Bコース)

クロバイ。千石荘(せんごくの杜)において、クロバイの大木を見上げている元館長の上久保文貴先生。クロバイは横向きに大きな枝を張ることがあります。

クロバイ(千石荘)

千石荘(せんごくの杜)における樹高調査の様子。一人が幹のそばで伸縮式の樹高計を上に伸ばし、その先が木の高さに合っているか、残りの2人が確かめているところです。

樹高調査の様子


2003年度までに貝塚市内において、約1,150種の植物が確認され、その後も、市民の方からの情報提供により種数は徐々に増えています。定期的な調査としては、2012年度と2013年度は千石荘で調査を行いました。また、千石荘では2012年度から2018年度まで、大木の樹高調査を行い、樹種・樹高・胸高周の測定を終えた樹木は約480本です。

現在、継続して調査を行っている場所は二色の浜と近木川河口で、海浜植物が対象ですが、ほとんど海水に浸かることがない場所では、外来種の侵出が顕著になっています。

これまでの植物調査のまとめ
二色の浜では、ハマボウフウ、ハマヒルガオ、コウボウムギ、コウボウシバ、ツルナ、オカヒジキなどの海浜植物の群落が形成されています。近木川河口干潟には、府下唯一の生息地になっていたイセウキヤガラは、現在、確認できなくなりました。

市街地から名越の住宅地にかけては、帰化植物や人里植物が多く、社寺林や屋敷林などに、この地域本来の自然植生の名残がみられます。

千石荘から水間にかけては大小のため池が点在する農耕地域で、アンペライなどの貴重な水生植物がみられるため池もあります。また、ため池の堤や周辺の草地では、ツリガネニンジンやタヌキマメなどの野草もみられます。

水間から蕎原にかけての地域では、谷筋に造られた棚田の周りの草地や、湿地、ため池の堤などに、スズサイコ、カワラボウフウ、イシモチソウ、キキョウ、モウセンゴケ、コモウセンゴケ、オミナエシ、カキランといった植物が確認されていましたが、現在は確認できないものもあります。

  和泉葛城山(標高858メートル)の山麓は、スギ・ヒノキ植林や二次林が多いですが、蕎原集落の裏山などには、かつてのこの地域の自然植生の状態を伝えるシイ林が残されています。また山頂部の約8ヘクタールのブナの自然林は、ブナの分布の南限に近く、1923年に国の天然記念物に指定されています。

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