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第84号 名加家住宅 |
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■ 本年4/18付で「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として、名加家住宅主屋と隠居屋が国有形文化財として登録されました。 名加家は大正頃まで貝塚寺内で木櫛の卸問屋業を行っていました。建物は、本瓦葺・ツシ2階(屋根裏を利用して2階とし物置などにしたもの)建てで、道路に面して駒寄せ(竹や角材などで作った低い柵)が設けられています。名加家は、元々異なる2棟の建物を合わせたもので、ツシ2階に設けられた虫籠窓(むしこまど)や駒寄せの形が違うなど北西部と南東部とで外観が異なっています。北西部の建物は元の住居で、通り土間を挟んで北西側に2列3室、南東側に1列3室が配されています。貝塚寺内には、類似した平面を持つ町家は数件あり、主屋の年代は18世紀中期〜後期頃と推定されます。隠居屋は伝承などから明治初期に願泉寺卜半(ぼくはん)家家来の家屋を曳屋(ひきや:壊さずそのまま移動された建物)してきたものです。 名加家住宅の外観は、年代の異なる2棟の家屋が違和感なく統一されており、貝塚寺内の町家として町並み景観に寄与することが多く、貴重な建築物といえるでしょう。 (平成20年7月掲載) |