貝塚市

第80号 遍照寺

■ 遍照寺は、弘法大師空海が和泉の国で布教を行った際に建立したと言われています。16世紀には、中興(ちゅうこう:衰えていたものを復興させること)されましたが、詳しい記録は残っていません。 17世紀(江戸時代)初期には「杉本坊」と呼ばれ、歴代の岸和田藩主の松井氏や岡部氏から与えられたとされる山林や新田の寄進状が残ることから、当時その保護を受けていたことがわかります。特に岡部氏の崇敬は厚く、本堂である御影堂(ごえいどう)の年貢などが免除されていたそうです。 境内には、御影堂・護摩(ごま)堂・庫裏(くり)・鐘楼・信徒会館があります。本尊は、江戸時代に作られた木造弘法大師坐像です。 毎年4/5には、境内で修験者による「柴燈大護摩法要(しとうだいごまほうよう)」が行われ、多くの信者で賑わいます。5/1には大般若経600巻の転読が行われます。 天気のいい日には、高台にある遍照寺からの眺めを堪能し、寺の裏山にある竹林の道を歩いて水間公園までハイキングを楽しんでみませんか。
(平成20年3月掲載)