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第75号 加治・神前・畠中瓦窯跡 |
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■これは、平成12年夏に実施した発掘調査(畠中2丁目地内)で発見された平安時代後期(12世紀)の瓦を焼いていた窯跡(かまあと)です。近木川に向かう傾斜部分に3基の登り窯と平坦(へいたん)部分に7基の地上式平窯の計10基が築かれていました。とりわけ平坦部分の地上式平窯は、類例が少なく全国的にも珍しい形態です。 周辺地域は、平安〜鎌倉時代の記録によると、熊野参詣に向かう皇族や貴族の休憩所として登場する「近木堂」という寺院の推定地域で、これらの瓦窯は「近木堂」に使うための瓦を焼いていたのではないかと考えられています。この発見で「近木堂」の存在が確実なものとなり、当時の周辺地域が重要な場所であったことが裏づけられました。 なお、瓦窯跡は現在その痕跡(こんせき)は残されていませんが、跡地に案内板が建てられています。 (平成19年10月掲載) |