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第42号 八品神社 |
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■天櫛玉命(あめのくしたまのみこと)を祭神とするこの神社は、古くから櫛の神として全国の木櫛職人や商人からまつられてきました。 「八品神社由来記」によると、欽明(きんめい)天皇の時代(531年〜571年)の創建と伝えられています。1909(明治42)年に南近義神社に合祀(ごうし)されましたが、この時、社殿はそのままで残されました。 社殿には奉納された櫛絵馬が掛けられ、境内には石造の櫛塚が建てられています。近義櫛(つげ櫛)は古代からこの地域の特産物で、平安時代後期に藤原明衡(あきひら)が著した「新猿楽記」に「和泉櫛」として紹介されています。中世には宮中などに多くの櫛が納められ、櫛職人が全国へ販売に出かけていたことが知られています。 明治以降、セルロイド製の櫛が出回り一時木櫛は衰退しましたが、木の持つ温もりとその品質の良さが見直され、現在は貝塚市の特産品の一つとなっています。 (平成17年1月掲載) |