貝塚市

第41号 泣くな石

■高さ約1メートル。窪田町にある地蔵堂の中には、静かに、それでいて存在感のある石が祀(まつ)られています。「泣くな石」と呼ばれているこの石には次のような号泣伝説が残っています。 堤村の釈迦堂山には牛神(うしがみ)が祀ってあった。あるとき、この牛神の祠前(ほこらまえ)で沢村の人たちが休んでいたら、溝の橋にするのにちょうどよい大きさの石があったので持ち帰った。この石は牛神祭りに使用する石で「釈迦堂山に帰りたい!」と大声で泣いたため、沢の人たちは驚いて元の場所に返した。 それ以来「泣くな石」と名づけられたそうです。 この石がいつ頃現在地に移されたのかは明らかではありませんが、今でも私たちの営みをそっと見つめ続けています。
(平成16年12月掲載) [備考]牛神:牛の守護神。牛神祭りは、年に一度牛の労をねぎらうとともに、その霊を祀って現役の牛の息災を願い行われたといわれています。