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第28号 永寿池疏水 |
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市内で一番大きく、府営三ツ松団地の西に満々と水をたたえるため池「永寿池」は、よく知られています。ところが、この池の水がどこから集められてきているのか知る人は多くないでしょう。 一般的に大きなため池の場合、水源はいくつかあるものですが、「永寿池」はそれを秬谷(きびたに)川と近木川に求め、1本の疎水で導水されています。その取水場所は水間寺境内の北西側の隅にあります。取水方法は、まず水間寺境内の地面下の岩を掘り抜き秬谷川の水の一部を近木川に注ぎ入れ、近木川の水と一緒に取水しています。 この工事は約1,200年前、永寿池の築造とともに水間寺を開山したといわれる僧「行基」の功績と伝えられています。また、現在のように測量機器のない当時は、夜に灯火を配置して高低差を測量したと言い伝えられています。 永寿池とその取水口との高低差を測り、その間の山や谷を克服し、最も経済的・効果的な取水方法を見出している当時の土木技術に感動させられることでしょう。 (平成15年11月掲載) [備考]疎水:かんがい用などの水を引くために造られた人工の水路 |