貝塚市

第22号 丸山古墳

■丸山古墳は地蔵堂町会館西側に位置し、全長約70メートルで周囲にほりのない前方後円墳です。周辺では5世紀頃の埋没古墳も見つかっており、この時代に周辺一帯に強い勢力を持った者がいて、集中的に古墳を築いていたことがわかっています。 市では、平成12年度より外周の溝改修やフェンス設置工事に伴い、古墳の発掘調査を続けてきました。その結果、昨年11月に4基の円筒埴輪(えんとうはにわ)や葺石(ふきいし)などを発見しました。埴輪の特徴から、丸山古墳は4世紀末に築造されたことがわかりました。また、丸山古墳とほぼ同じ頃、岸和田市では全長200メートルの摩湯山(まゆやま)古墳が築かれていることから、5世紀に築かれた羽曳野市や藤井寺市に広がる古市古墳群や堺市の百舌鳥古墳群よりも早い段階で、泉南地方に前方後円墳が相次いで築かれたということがわかってきました。 丸山古墳からの見晴らしが良いことから、天正13 (1585) 年に豊臣秀吉が積善寺(しゃくぜんじ)城を攻めた時ここに本陣を置いたと伝えられています。きっと、現在からは想像できないような景色が秀吉の眼下に広がっていたのでしょうね。
(平成15年5月掲載)